蒸留によってもろみのアルコール分や香気成分などの酒の精(スピリット)だけを凝縮した本格焼酎には酒を劣化させる成分が少ない為、高温などの劣悪環境に置かない限り、品質劣化をあまり気にする必要はありません。
むしろ年月が経てばアルコールが馴染むという利点もあります。また、同じ原料でも産地の違い、製造方法の違いなどで風味が異なります。焼酎に使われる原材料も多種多様です。種類の中で最もバラエティーに富んだお酒です。
【 かめ仕込み 】
九州・沖縄の一部の蔵に行き続けている「かめ仕込み」。かめの大きさは普通一〜三石(一石=180リットル)。豊かな滑らかな味わいは、かめの形状がもろみの対流に適しており、かめを土に埋める事で温度を一定に保つ効果があるからといわれています。
【 黒麹菌・白麹菌 (くろこうじきん・しろこうじきん) 】
一般的に沖縄の泡盛には黒麹菌が使われ、その他の地方では白麹菌が使われています。
黒麹菌の変種が白麹菌です。最初の頃は黒麹菌が伝わらなかった九州本土では、清酒と同じ黄麹菌が使われていましたが、酸を作る力が強く、南国での焼酎造りに向いた白麹菌が使用されるようになりました。 黒麹菌が芳醇な風味を与え、白麹菌はソフトな風味を与えます。
【 花酒 (はなさき) 】
本格焼酎を蒸留する際、初めに出てくる部分を「初留」(しょりゅう)といいます。
初留はアルコール分が高く、香りも豊か。与那国島で造られる泡盛の初留だけがアルコール分60度の「花酒」と呼ばれます。
【 古酒 (長期熟成酒) 】
本格焼酎で古酒と呼ばれる商品は、その全量が3年以上貯蔵されたもの、またはブレンド後の総量が50パーセント以上が3年以上の貯蔵酒であるものと定められています。 泡盛は古酒(クース)と呼ばれてます。本来はアルコール分が高い蒸留酒は熟成する程まろやかになります。
【 新酒 】
一般的に蒸留酒はある程度熟成させてから出荷されますが、芋焼酎だけは、新鮮な芋の風味を楽しむために、収穫されたばかりの芋で造った新酒を秋に出荷します。
世界でも唯一新酒で飲む蒸留酒が 「芋焼酎の新酒」です。これは期間限定品です。
【 樽熟成焼酎 】
焼酎の原料を問わず、樫ダルで熟成させた古酒が造られています。樽熟成焼酎は、黄褐色の色調とほのかな樫ダルの香りと各原料由来の香味を背景とする特有の丸みがあります。